前回に続き、今回も避難器具の種類についてご紹介します。
よく公園などにある滑り台を大きくしたようなものとなります。
防火対象物の窓やバルコニーなどと地上の間を鋼板製などの台で連絡して、
これを避難する人が滑り降りることによって地上に避難します。
利用する際に特別な操作がないため、
短時間で多くの人が避難することが可能で、避難の確実性が高くなります。
全ての防火対象物に設置が出来ます。
直線式と、螺旋[らせん]式があり、避難器具の中では一番使いやすい[避難が容易]となります。
実幼稚園や保育園、病院や老人ホームなどの福祉施設など、
階段での避難に困難が予想される防火対象物に設置されていることが多くなっています。
緩降機は、使用者がベルトを身体に巻きつけ、
自重だけで緩やかに降下して避難階などに避難できる器具のことです。
滑車の部分に降下速度を調整する機構があり、固定式と可搬式が存在しており、
降下速度を調整しながら一人ずつ降下します。
ロープの先端に着用具と呼ばれる体に付ける部分があり、それを体にくぐらせます。
調速器と呼ばれる部分で降下速度を16~150cm毎秒に調整し、
ゆっくりと降下して避難が可能です。
ただ、ロープ1本に体を任せるため、使用には度胸がいります!
法令上は10階であっても設置することが可能となります。
以前は1人用と多人数用がありましたが、最近では1人用しか見かけなくなりました。
避難橋は、火災時に屋上や途中階から他の建築物へ避難するためのもで、
建物間相互に架ける橋のことです。
使用時に避難橋を押して隣の建物まで橋を架けて避難します。
避難器具は防火対象物の各階から避難階や地上へ安全に避難するためのものですが、
避難橋に限り、隣の建築物へ一度避難してから、その階段などを利用して避難階や地上へ避難します。
このときの隣の建築物については、その所有者や敷地の異同を問いません。
同一敷地内の隣接建築物であればともかく、所有者や敷地が異なる場合は、
建物相互の高さが同じであることや、建物相互の了解があるなど、
設置については様々な条件が整う必要があります。
それらの理由で見かけることは少ないかもしれません。
避難橋は器具の一種であり、渡り廊下のような建築物の一部ではないため、
その構造・仕様については告示に規定されています。
2回に渡り、避難器具の種類をご紹介しました。
普段目にしていても使い方を知らなかったり、
普段は中々目にすることのない避難器具もあったのではないでしょうか。
避難器具は、安全に避難するための大切なものとなります。
いざという時に慌てないように、避難器具について理解しておくことが大切ですね。
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