二階建てやせいぜい三階建ての住宅とちがい、
大きな建物となると特別な消防設備の設置が必要となります。
連結送水管もまた、その一つなのです。
連結送水管の設置が必須となるのは7階建て以上、
あるいは5階6階建てでも延べ床面積が6000㎡を超えるような建築物となります。
つまり大型マンションや商業施設を探せばどこかにあるはずです。
こちらの消防設備はどういった役割を果たすのでしょう。
広ければ広いほど、そして高くなるほどに
消防が駆けつけて放水活動をおこなおうにも水が行き届かなくなります。
そこで連結送水管なのです。
更に上の階まで送水するための管、だから送水管です。
連結送水管は4つの部分で構成されており、それぞれの階に別れて配置されてます。
ポンプ車のホースを接続し水を送り込むための送水口は1階や建物の外にあるでしょう。
各フロアに設置された放水口、ここから水は出てくるのです。
そして送水口から放水口へとつなぐ配管、
放水口は普段はイタズラされたりといったことの無いように格納箱に入っているはずです。
これら4つのどれか一つでも欠けると放水活動が円滑におこなえません。
いずれも大切な消防設備というわけです。
ですから定期的な点検作業も必須となります。
特に地中を通っていることもある配管は目視では破損個所を見つけることはできませんから、
実際に水圧をかけるなどしての検査が必要なわけで、
専門知識を持つプロがおこなわなければならなりません。
消防設備の点検で重要な耐圧試験は、建物が竣工してから10年目に実施されることとなります。
10年も経過するとその他の消防設備にも多数劣化が見られることが多いため、
これを機会に一度におこなってもよいでしょう。
それからまた10年となると長すぎることもあり、以降は3年ごとにおこなわれます。
圧力をかけると言っても一気にやってしまうとその衝撃で配管が割れてしまっては大変ですから、
少しずつ圧を加えていくことになります。
水漏れして消防設備点検が元で二次災害が起きても困りますから、
かなり年数の立っている配管だとエアー加圧試験を事前におこなうことで様子を見るようです。
消防設備というと消化器やスプリンクラーの方がお馴染みで、
直接的に一般人には関係のない連結送水管の存在を知っている方も稀でしょう。
でもこれもまた大切な消防設備の一つなのです。
きちんと点検をおこなうことが大切です。
もし万が一不具合が見つかったら、早急に交換・設置をプロに依頼しなければなりません。
火事はいつなんどき起こるか分からないわけです。
もう一つ大切なのが、連結送水管の標識です。
消防士の方がその建物の内部に入るのは火事の時が初めてかもしれません。
煙も経ちこめる中で迅速に見つけ出して適切な対応ができるよう、
どこに設置されているのか見やすい箇所に標識を設けておくようにしましょう。
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