消防設備は多くの人が利用する防火対象物などに設置が義務付けられており、内容について正確に知っておく必要があります。
なかでも「非常警報設備」と「非常警報器具」は名前は似ていますが、役割が異なりますので注意が必要です。
この記事では消防設備の非常警報設備と非常警報器具の違いについて解説します。
非常警報設備とは、防火対象物内で発生した火災を防火対象物の関係者や利用者に警報する設備で、具体的には非常ベル、自動式サイレン、放送設備などがあります。
非常ベルは警報の音響装置としてベルを用いる消防設備です。
警報の音響装置としてサイレンを用いる消防設備です。
自動式サイレンは、非常ベル、サイレン共に起動装置、音響装置、表示灯、電源(配線)によって構成されています。
放送設備はスピーカーを利用した音声により建物内の人々に通報、避難誘導を行う消防設備です。
非常用放送設備は、起動装置、表示灯、スピーカー、増幅器、操作装置、電源によって構成されています。
非常警報器具とは、火災が発生した場合、防火対象物内の人々に拡声器や警報音などによって伝達するための警鐘、携帯用拡声器、手動式サイレンなどを指します。
非常警報器具は非常警報設備に比べて簡易的な器具のことです。
多数の人が利用する防火対象物等に設置が義務付けられており、収容人数が20人以上50人未満の場合は非常警報器具の設置が義務付けられています。
自動火災報知設備と非常警報設備も似ている消防設備ですが、役割が異なります。
自動火災報知設備には自動で火災を発見できる火災感知器が接続されていますが、非常警報設備にはそれがありません。
これが両者の大きな違いです。
共通している点は、どちらにも押しボタン式の発信機が付いているという点です。
外観も非常によく似ていますがその仕組みは異なり、自動火災報知設備では火災受信機が付いています。
非常警報設備と非常警報器具の違い、さらには自動火災報知設備との違いについて解説しました。
消防設備は種類が多くあり、言葉の定義が広い場合もありますので混同してしまうこともあるかと思いますが、法令に従い正しく設置しなければなりません。
定期点検も必要になりますので、消防設備の設置については消防設備の専門業者に相談して設置と点検を行うと安心です。
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