消防設備の感知器には「煙感知器」「熱感知器」「炎感知器」の3種類があります。
なかでも炎感知器は物が燃焼するときに発する炎の放射エネルギーを捉えることにより、火災を感知する消防設備です。
ここでは、消防設備の炎感知器の種類について解説します。
炎感知器は、センサーにより床面にある火を検出する消防設備です。
炎感知器には赤外線式と紫外線式の2種類が存在します。
赤外線式スポット型感知器は、炎から放射される赤外線の変化が一定量以上になったときに火災信号を発する消防設備です。
火災時の炎には、多量の二酸化炭素から共鳴放射される波長4.4μmにピークを持つ赤外線が多く含まれ、ちらつきながら放射される顕著な現象があります。
このCO2共鳴放射とちらつきを捉えて火災を感知します。
赤外線式スポット型感知器は、炎から放射される赤外線の変化が一定量以上になったときに火災信号を発する消防設備です。
感知部に金属の光電効果とガス倍増効果を利用し、一定の紫外線域のみに感度を有するセンサーを設けたものです。炎から放射される紫外線をUVトロンで受光し、受光量の変化が一定以上になったときに火災信号を発信します。
一般的に紫外線式は小さな火花でも検知できますが、ホコリや太陽光などで誤作動が多いと言われており、一方で赤外線式は紫外線式に比べて感度は劣るものの、50~100cm程度の炎であれば高い確率で感知するとされています。
消防設備の設置基準では、炎感知器は一般的に天井高さ20m以上の場所に設置します。
天井が高すぎると熱や煙は上に到達するまでに時間がかかるため、熱感知器や煙感知器では火災を感知するまでに時間がかかってしまい、火災が拡散してしまう可能性があります。
しかし、炎感知器は炎の赤外線や紫外線を捉えるため、すぐに感知できます。
炎感知器は20m以上の天井高さがある劇場や映画館、アトリウムなどの広い空間のほか、トンネルや商業施設のトイレ内に設置されていることもあります。
消防設備の感知器のうち、炎感知器の種類や機能について解説しました。
感知器には熱感知器、煙感知器、炎感知器の3種類があり、設置する場所に適したものを、消防設備の設置基準に従って設置する必要があります。
感知器をはじめとした消防設備を設置する場合は、専門業者に相談して設置すると確実です。
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