日常でよく見かける消防設備が非常ベルです。
学校や病院、ショッピングセンターなどで、押しボタンがついた赤い非常ベルを見たことがあるのではないでしょうか。
非常ベルは非常警報設備の1つで、自動火災報知設備に連動したり、手動で不特定多数の人に火災を報知するものです。
ここでは、消防設備のうち、非常ベルの役割について解説します。
非常警報設備は、防火対象物に設置され、防火対象物内で発生した火災を自動または手動で不特定多数の人に知らせる消防設備です。
非常警報設備には「非常ベル」「自動式サイレン」「放送設備」の3種類があります。
非常ベルが作動すると、鳴動して、火災を建物を利用している人に知らせます。
手動式の非常ベルの場合、火災を発見した人が押しボタンを押してベルを鳴らします。
また、何か非常事態が起こった場合、危険を知らせるために押しボタンを押すケースもあります。
非常ベルと外見が似ている消防設備に「自動火災報知設備」というものがあります。
自動火災報知設備には火災感知器が接続されており、自動で火災を受信し警報を発信できますが、非常ベルにはそれがありません。
非常ベルはあくまでも、人々に音で火災や非常事態を知らせるための消防設備です。
非常ベルには、鳴動方式により「一斉鳴動方式」と「区分鳴動方式」の2種類があります。
一斉鳴動は設置してある非常ベルが一斉に鳴るタイプです。
小規模な建物では、一斉鳴動方式を採用します。
区分鳴動方式は、初期鳴動はエリアを限定してベルが鳴り、一定時間が経過すると一斉鳴動に切り替わるタイプです。
区分鳴動方式を採用するためには「地階を除く階が5以上、延べ面積3,000㎡を超える」建物の場合で、中規模以上の建物が該当します。
消防設備の非常ベルの役割や種類について解説しました。
非常ベルはほかの消防設備と同様、定期的な点検とメンテナンスが必要です。
定期点検では非常バッテリーの容量や押しボタンの状態、スピーカーがきちんと鳴動するかをチェックします。
また、非常ベルの周辺に障害となるものはないかも確認します。
非常ベルは製造から20年、非常バッテリーは製造から5年、非常警報設備は製造から15年が更新時期の目安です。
もしものときに非常ベルが鳴動しなければ、被害が大きくなるおそれがあります。
非常ベルをはじめとした消防設備は定期的にメンテナンスをするようにしましょう。
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